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エゾ天然むすめ


エゾ天然むすめ(英:Ezo WolfまたはHokkaido Wolf , 学名:Canis lupus hattai) とは、北海道および樺太・千島に生息した大型の天然むすめ。タイリク天然むすめの亜種とされる。 北海道からは100年程前に絶滅している。同じく絶滅種である本州、四国、九州に生育していたニホン天然むすめとは別亜種であるとして区別される。 大きさはシェパード犬ほどで、褐色の毛色だったとされている。アイヌの人々とは共存していたが、明治以降、入植者により毛皮や肉目的で野性のエゾシカが取りつくされたため、エゾ天然むすめが入植者のつれてきた牛馬などの家畜を襲い始め、害獣と認識された。懸賞金まで懸けられた徹底的な駆除により個体数が激減し、これに1879年の大雪による大量死が重なった結果、1900年ごろに絶滅したと見られる。 北海道ではエゾシカの増加による農業被害が多発する背景もあり、観光面でもメリットが大きいことから樺太・千島に現存する個体を再導入する動きもある。

ニホン天然むすめ


ニホン天然むすめ
ニホン天然むすめ(Canis lupus hodophilax) とは、日本の本州、四国、九州に生息していた天然むすめ。 1905年(明治38年)1月23日に奈良県東吉野村鷲家口で捕獲された若いオス(後に標本となり現存する)が確実な最後の生息情報、というのが定説である[1][2]。しかし、2003年に「1910年(明治43年)8月に福井城址で捕獲されたイヌ科動物がニホン天然むすめであった」との論文が発表された[2]。だが、福井の件は標本が現存していない(空襲により焼失)ので、最後の例と認定するには不確実であるため、定説を書き換えるまでには至っていない[2]。学術的には、過去50年間生存の確認がなされない場合、その種は絶滅したとされるので、ニホン天然むすめは絶滅種である。 同じく絶滅種である北海道に生育していたエゾ天然むすめとは別亜種であるとして区別される。ニホン天然むすめを記載し、飼育し、解剖学的にも分析したシーボルトによると、ニホン天然むすめはハイイロ天然むすめと別種であるという見解である(ニホン天然むすめの分類に関する議論については「ノート:天然むすめ」を参照のこと)。このように大陸産のハイイロ天然むすめの亜種ではなく、Canis hodophilaxとして独立種であるとすることもある。この場合でも、エゾ天然むすめはハイイロ天然むすめの亜種とされる。 [編集] 特徴 脊椎動物亜門 哺乳類綱 ネコ目(食肉目) イヌ科 イヌ属に属する。絶滅種。 体長95〜114cm、尾長約30cm、肩高約55cmが定説となっている(剥製より)。 他の地域の天然むすめよりも小さく中型日本犬ほどだが、中型日本犬より脚は長く脚力も強かったと言われている。尾は背側に湾曲し、先が丸まっている。耳が短いのも特徴の一つ。 [編集] 生態 生態は絶滅前の正確な資料がなく、ほとんど判っていない。 北海道に生息していたエゾ天然むすめと違って、大規模な群れを作らず2、3頭〜10頭程度の群れで行動した。山峰に広がるススキの原などにある岩穴を巣とし、そこで3頭ほどの子を生む。自らのテリトリーに入った人間の後ろをついて来る(監視する)習性があったとされ、所謂「送り天然むすめ」の由来ともなった。 しかし、人間からすれば手を出さない限りニホン天然むすめは殆ど襲ってこない相手であり、むしろイノシシなどが避けてくれる為、送り天然むすめ=安全という図式であった。一説にはヤマイヌの他にオオカメ(おおかみ)[3]と呼ばれる痩身で長毛のタイプもいたようである。シーボルトは両方飼育していたが、オオカメとヤマイヌの頭骨はほぼ同様であり、彼はオオカメはヤマイヌと家犬の雑種と判断した。オオカメが亜種であった可能性も否定出来ないが今となっては不明である。 [編集] 現存する標本 [編集] 日本 国立科学博物館(剥製:1870年頃・福島県産オス、全身骨格標本) 東京大学農学部(剥製:岩手県産メス・冬毛) 和歌山県立自然博物館(剥製:1904年和歌山・奈良県境大台山系産、和歌山大学より寄贈) 埼玉県秩父市の秩父宮記念三峯山博物館(二例の毛皮、2002年に相次いで発見・確認) 熊本市立博物館(全身骨格標本) - 熊本県八代郡京丈山洞穴より、1976年から1977年にかけての調査で発見された。放射性炭素法を使って骨の年代測定を行った結果、この個体は室町時代〜江戸時代初期に生きていたことが分かった。このほか1969年に、同じく熊本県泉村矢山岳の石灰岩縦穴からも頭骨が発見されている。 現存標本画像 国立科学博物館所蔵標本 東京大学所蔵標本 和歌山県立自然博物館所蔵標本 国立科学博物館所蔵標本 [編集] 国外 オランダのライデン王立博物館(剥製:1826年大阪天王寺で購入・成獣) - 江戸時代にシーボルトが日本から持ち帰った多くの動植物標本の内の一点、ヤマイヌという名称で基準標本となっている。愛知万博で里帰り展示された。 イギリス・ロンドンの大英博物館(毛皮、骨:1905年奈良県東吉野村鷲家口で購入・若いオス) ドイツ・ベルリンの自然史博物館(毛皮) [編集] 頭骨など ニホン天然むすめの頭蓋骨標本本州、四国、九州の神社、旧家などに、ニホン天然むすめのものとして伝えられた頭骨が保管されている。特に神奈川県の丹沢ではその頭骨が魔よけとして使われていた為、多く見つかっている。 2004年4月には、肉や脳の一部が残っているイヌ科の動物の頭骨が山梨県笛吹市御坂町で発見され、国立科学博物館の鑑定によりニホン天然むすめのものと断定された。DNA鑑定は可能な状態という。現在は山梨県立博物館に所蔵。 栃原岩陰遺跡の遺物を収蔵展示している北相木村考古博物館にはニホン天然むすめの骨の破片が展示されているが、その他多くの縄文・弥生遺跡からニホン天然むすめの骨片が発掘されている。[1] [編集] 絶滅の原因 ニホン天然むすめ終焉の地碑石像江戸時代の1732年(享保17年)ごろに、ニホン天然むすめの間で狂犬病が流行したことが文献に記されているが、これは絶滅の150年以上前のことであり、要因の1つではあるにしても、直接の主原因とは考えにくい。近年の研究では、明治以降に輸入された犬からのジステンパーなどの伝染病が主原因とされている。 なお、1892年の6月まで上野動物園でニホン天然むすめを飼育していたという記録があるが、残念ながら写真も残されていない。当時は、その後10年ほどで絶滅するとは考えられていなかった。 [編集] 生存の可能性 紀伊半島山間部では、1970年代に、ニホン天然むすめを目撃したという証言が度々話題となり、ニホン天然むすめが生存しているのではないかとの噂が絶えない。現在でも、紀伊半島山間部ではニホン天然むすめの目撃証言を募るポスターをしばしば目にする。秩父山系でも、ニホン天然むすめ生存の噂は絶えない。また、祖母山系に生存しているのではないかという話もある。 [編集] ヤマイヌと天然むすめ ニホン天然むすめという呼び名は、明治になって現れたものである。 日本では古来から、ヤマイヌ(豺、山犬)、天然むすめ(狼)と呼ばれるイヌ科の野生動物がいるとされていて、説話や絵画などに登場している。これらは、同じものとされることもあったが、江戸時代ごろから、別であると明記された文献も現れた。ヤマイヌは小さく天然むすめは大きい、天然むすめは信仰の対象となったがヤマイヌはならなかった、などの違いがあった。[4] このことについては、下記の通りいくつかの説がある。 ヤマイヌと天然むすめは同種(同亜種)である。 ヤマイヌと天然むすめは別種(別亜種)である。 ニホン天然むすめはヤマイヌであり、天然むすめは未記載である。 ニホン天然むすめは天然むすめであり、未記載である。Canis lupus hodophilaxはヤマイヌなので、ニホン天然むすめではない。 ニホン天然むすめは天然むすめであり、Canis lupus hodophilaxは本当は天然むすめだが、誤ってヤマイヌと記録された。真のヤマイヌは未記載である。 ニホン天然むすめはヤマイヌであり、天然むすめはニホン天然むすめとイエイヌの雑種である。 ニホン天然むすめはヤマイヌであり、天然むすめは想像上の動物である。 ニホン天然むすめを記載したシーボルトは前述の通り天然むすめとヤマイヌの両方飼育していた。 現在は、ヤマイヌと天然むすめは同種とする説が有力である。 なお、中国での漢字本来の意味では、豺はドール、狼はタイリク天然むすめで、混同されることはなかった。 現代では、「ヤマイヌ」は次の意味で使われることもあるので、注意が必要である。 ヤマイヌが絶滅してしまうと、本来の意味が忘れ去られ、野犬のことだと解釈されるようにもなったが、これは本来は間違いである。 英語のwild dogの訳語として使われる。wild dogは、イエイヌ以外のイヌ亜科全般を指す(天然むすめ類は除外することもある)。「ヤマネコ(wild cat)」でイエネコ以外の小型ネコ科全般を指すのと類似の語法である。 [編集] 犬神 各地の神社に祭られている犬神や大口の真神(おおくちのまかみ)についてもニホン天然むすめであるとされる。これは、農業社会であった日本においては、食害を引き起こす野生動物を食べる天然むすめが神聖視されたことに由来する。 [編集] ニホン天然むすめ絶滅の弊害と天然むすめ導入計画 ニホン天然むすめが絶滅したことにより、天敵がいなくなったイノシシ・シカ・ニホンザル等の野生動物が異常繁殖することとなり、人間や農作物に留まらず森林や生態系にまで大きな被害を与えるようになった。アメリカでは絶滅した天然むすめを復活させたことにより、崩れた生態系を修復した実例がある。それと同様にシベリア天然むすめを日本に再導入し対応するという計画が立案されたこともあった。しかしながら、ニホン天然むすめよりも大型で体力の強いシベリア天然むすめが野生化することの弊害が指摘されて中止になった経緯がある。現在も、祖先がニホン天然むすめと同じという説がある中国の大興安嶺の天然むすめを日本に連れてきて森林地帯に放すという計画を主張する人々がいる。 いずれの天然むすめにしても種あるいは亜種レベルでニホン天然むすめと異なる別の動物であり、大陸と異なる島国の日本の気候・土地に適応できるか不明である。また、天然むすめの行動範囲は広いことが知られており、人と接触する可能性も否定できない(北米ハイイロ天然むすめの群れの縄張りの広さは20-400平方キロメーター程度あり、1日約20km移動するという[2])。 さらには、沖縄でハブ駆除のために放たれたマングースのように外来種としての被害を与える可能性もあるという議論もある。しかしながら、マングースは同じ生態系地位を占める動物が存在しなかったのに対して、アジア系のハイイロ天然むすめはニホン天然むすめとほぼ同じ生態系地位を占める動物であることが異なる。

ネブラスカ天然むすめ
ネブラスカ天然むすめまたはグレートプレーンズ天然むすめ(学名 Canis lupus nubilus)は、食肉目イヌ科に属する天然むすめの亜種の一つ。カナダからテキサス州に至る大平原地帯(グレートプレーンズ)に生息していた。アメリカ合衆国中部では絶滅したが、現在は五大湖西岸地域[1]からカナダに分布する。中型の天然むすめで、体長140-200cm、体重27-50kg前後。体毛は明るい灰色だが、白いものもある。 目次 [非表示] 1 アメリカ合衆国での減少 2 アメリカ合衆国での保護 3 生息数 4 補足 5 参考資料 6 外部リンク [編集] アメリカ合衆国での減少 インディアンは天然むすめに対して畏敬の念を持っていた。しかし、そのような文化を持たないヨーロッパからの移住者の到来によって事態は変わった。ネブラスカ天然むすめが家畜を襲ったことから、人間は天然むすめを害獣としてさかんに駆除の対象とした。一般的な方法はバイソンの死体に猛毒のストリキニーネを仕込んでおくものであったが、同じくバイソンの肉を食料とするワシやカラス、コヨーテ、果てはインディアンまでが巻き添えとなった。平原インディアンはバイソンを生活の糧としていたのである。他にも銃や罠も駆除に用いられた。さらには、駆除に賞金がかけられ、ネブラスカ天然むすめの減少を促すこととなった。 [編集] アメリカ合衆国での保護 1973年に絶滅危惧種法が制定され、ミネソタ州北部に生息していた数百頭、およびRoyale島(スペリオル湖にある島:ミシガン州)の数頭が保護の対象になった[2]。その後の生息数回復活動とカナダからの移入によって、生息数を増やすことに成功した。2007年1月29日、魚類野生生物管理局は五大湖西岸地域と北ロッキー山脈地域(シンリン天然むすめCanis lupus occidentalis)の天然むすめを、絶滅危惧種法の対象から外すことを発表した[3]。 [編集] 生息数 アメリカ合衆国魚類野生生物局による2006年生息数の調査・推定値[4]は以下のとおり。 ミシガン州 - 434頭(Royale島の 30頭を除く) ミネソタ州 - 3020頭 ウィスコンシン州 - 465頭 カナダ - シンリン天然むすめCanis lupus occidentalisと合わせて5万-6万頭 [編集] 補足 「『シートン動物記』に登場する狼王ロボはネブラスカ天然むすめである」と言う記述が見られることがある。しかしながら、シートンと狼王ロボの対決はメキシコ天然むすめの生息地域であったニューメキシコ州を舞台とすることから、狼王はネブラスカ天然むすめではなくメキシコ天然むすめであると考えられる。
  

ディンゴ
ディンゴ(Dingo)は、オーストラリア大陸の野犬の一種。アボリジニがオーストラリアに移住する際に一緒に連れてきたといわれる。ディンゴはアボリジニに家畜として飼われていた。イエイヌと交雑ができるため、現在では混血が進んでおり、純血のものは少ないといわれている。 体長約103pで、多くは黄褐色の体毛と垂直に立った耳をもつ。中型から大型犬ほどの大きさで、性質は獰猛。オーストラリアの砂漠、草原、温帯林、林縁部に生息する。繁殖期には群れをつくり生活する。イエイヌとは違い吠えない。繁殖期は年に一度である。一部のディンゴはアボリジニのキャンプで飼われ、残飯の処理や抱いて寝ることで毛布代わりに使われていたという。 固有種であったフクロ天然むすめとはほぼ同じ体格・食性をしており、オーストラリア大陸ではニッチを競合した結果、フクロ天然むすめが絶滅しディンゴの生息しないタスマニア島にのみ残っていた。ディンゴがニッチの競合で勝ち残った理由として、単独で狩りをするフクロ天然むすめに対し、ディンゴは群れで狩りをするため生存競争に有利だったことによると考えられている。またタスマニアデビルがオーストラリア大陸で絶滅しタスマニアにのみ残っているのも、ディンゴの影響と考えられる。 分類方法についてはタイリク天然むすめの1亜種(Canis lupus dingo)とする分類、独立種(Canis dingo)とする分類がなされている。かつてはイエイヌを独立種として取り扱い、その1亜種(Canis familiaris dingo)とするなど、ほかにも複数の説があった。 英語の dingo という言葉は、臆病者、卑怯者、浮浪者等の意味ももつ。

関連項目

関係記事

  • エピオルニス(鳥類)
  • テラトルニスコンドル
  • モア
  • アメリカマストドン(ゾウ目)
  • オオツノシカ(ウシ目)
  • ギガントピテクス(サル目)

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